最大で摂氏 -55℃~250℃まで温度制御ができる小型の無風 恒温槽です。
従来の恒温槽は、槽内で風を循環させているため、どうしても測定精度に±5℃程度の誤差が生まれていました。電子部品において最大10℃の誤差は、設計マージン(安全率)を過剰に持つことになり、コスト高な設計に繋がります。無風恒温槽では風を使用せずに温調し、無風空間を実現しました。
無風 恒温槽の特長
空気の対流をなくし、温度のムラを排除

従来の恒温槽は電子部品以外のさまざまな用途を想定しているため、サイズが大きく高価です。大きな槽内の温度を一定にするため、常に空気の対流を起こしていますが、このことが、温度ムラも引き起こします。
±5℃程度の誤差は一般的であり、最大10℃の誤差を想定して設計マージンをとるためコスト高になっていました。
「無風恒温槽」は、熱伝導で天井、壁面、底面の全てを同じ温度にするため無風空間を実現しました。
±5℃程度の温度ムラは±0.5の高精度で測定が可能です。
待機時間を大幅削減し、生産性を飛躍

熱伝導率の高い金属板を温調し、空間そのものを設定温度まで高速に制御します。
従来、温度変化に掛かる時間は90~120分と長時間必要でしたが、「無風恒温槽」では6~10分と大幅に短縮でき、生産性を飛躍的に向上させます。
最大-55℃~250℃までの温度帯を安定実現
必要な温度帯域に合わせて、温調方式や冷却能力を最適化。
カーエレクトロニクスやパワーデバイスに求められる温度帯域を実現します。
下記のようなパワー系デバイスの評価試験に使用できます。
パワーサイクル試験 | 電圧や電流負荷を繰り返し掛ける |
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温度サイクル試験 | 熱的な負荷(高温・低温)を繰り返し掛ける |
バーンイン | 高温状態で動作させ、初期不良をスクリーニングする |
低温動作試験 | 低温状態で動作を確認する |
サンプルの発熱を吸収しながらの温調が可能
ペルチェ素子による温調のため、サンプルの発熱を吸収しながらの温調が可能です。
低振動
温調モジュールであるペルチェ素子は、ガスを使用するコンプレッサー式と異なり、熱伝達に電気を使用します。電気を流す方向によって片側を加熱、反対側を冷却と切り替えるため、応答速度が速く、振動も少ない精密温調を可能とします。
また、ペルチェモジュールの場合、必要な電気を必要な方向に流すことで温度制御を行いますので、無駄が少なく、省エネ・電気代も安くなります。
用途に応じた槽のサイズを展開、カスタマイズも
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80mm槽 |
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-10℃~130℃ |
-30℃~150℃ |
-40℃~150℃ (1.6kwチラー使用) |
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温調空間 80mm正方×30mm高 |
温調空間 80mm正方×30mm高 |
温調空間 80mm正方×30mm高 |
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吸熱量:40W (最大80W) |
吸熱量:20W (最大40W) |
吸熱量:20W (最大40W) |
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150mm槽 |
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-10℃~130℃ |
-30℃~150℃ |
-40℃~150℃ (1.6kwチラー使用) |
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温調空間 150mm正方×30mm高 |
温調空間 150mm正方×30mm高 |
温調空間 150mm正方×30mm高 |
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吸熱量:80W (最大160W) |
吸熱量:40W (最大80W) |
吸熱量:40W (最大80W) |